あの方の歴史 7
たとえこうした系列に組み込まれてはいなくても、若い日には、誰しも多少の復讐精神はあるというものです。
憎しみや怒りを唯一の拠り所にして生きようと試みます。
しかし生涯、この精神を維持しつづけるというのは殆ど不可能ではあるまいか。
いつしか妥協し、あきらめ、金を勘定し、安泰な生活を夢見る。
自分はそんな輝の人間ではないと思ってはみても、果たして70歳になって、あらゆる不利を背負って、再び世間に挑戦できるだろうか?しかしながら、一般的にはやはり彼女の成功や服づくりの方法の方がより興味があるだろうと思います。
日本での現在のシャネルの掴え方も多くはこの傾向を辿っています。
しかし誰でもいつかは、こんな自問自答をする時期がやってき、そこで、挑戦するかしないか自らを決する時が一度は必ず来るのは確実です。